日本全国で腰痛に悩む人の数は、なんと約2,800万人!
人口の約1/4にも及ぶといわれています。
(厚生労働省・2015年・国民生活基礎調査)
また、腰痛が慢性化していると感じる人も多いです。
痛みが続くとQOL(生活の質)や、幸福度も下がってしまうという統計もあります。
もはや国民病と言ってもよい腰痛。
そんな腰痛持ちの方は、どんなマットレスを選べば良いのか?を解説します。
人の理想の寝姿は、背骨が自然なS字カーブを描いてること
腰痛は、姿勢が崩れたり、無理な体勢をとったことで痛みが悪化することが多いです。
これは睡眠時の姿勢にも同じことが言えます。
睡眠時の理想的な寝姿は、
真っ直ぐに立った状態と同じ姿勢
です。
この寝姿を、無理なく取れる寝具を使うことが重要になります。
硬すぎるマットレスでは、腰や背中で体重を支えることになります。
そうなると、筋肉が緊張状態のままになります。
リラックスして眠ることが出来ません。
逆に、柔らかすぎるマットレスでは、腰の部分が下がり落ちてしまいます。
自然なS字カーブを描けず、負担が一箇所にかかることになります。
適度な硬さで体圧が分散され、背骨が自然なS字カーブを描けるマットレスを選ぶようにして下さい。
腰痛持ちにおすすめのマットレスの硬さとは
マットレスで、しばしば取り沙汰される
「腰痛持ちには高反発と低反発、どちらのマットレスが良いのか?」論争
ですが、一般的には
「腰痛持ちには、高反発の方が良い」
と言われています。
低反発マットレスの特徴
低反発のマットレスは、柔らかく体を包み込むようにフィットしてくれます。
そのために寝付きが良くなります。
その反面、腰痛改善に大事な寝返りがしづらいです。
また、蒸れやすく、睡眠の質が落ちるのが、デメリットです。
また、沈み込み過ぎると、腰部などが落ち込んでしまいます。
なので、理想のS字にならず、寝姿が崩れてしまいます。
底付き感があるために痛みが出たりします。
高反発マットレスの特徴
一方、高反発マットレスは、適度なフィット感があります。
体をしっかりと支えてくれます。
寝返りがしやすいです。
ただ、反発力が強すぎると腰の部分に隙間が出来てしまいます。
寝ている間に、筋肉が緊張状態のままとなると、腰痛の原因になります。
硬すぎる(ニュートンや密度の値が大きい)と、逆に腰を悪くするので注意が必要です。
まとめると、柔らかすぎるマットレスは寝姿が崩れてしまうため、硬すぎるマットレスは耐圧分散性が悪いために腰に負担がかかりやすくなります。
そのため、ご自身に合った硬さのものを選ぶことが大切になってきます。
最適な硬さは体重を目安にすると良い
では、最適なマットレスの硬さは何を基準に選べば良いのでしょうか?
ウレタンマットレスの反発力はN(ニュートン)で表記され、Nの値が大きいほどマットレスの硬さが増します。
消費者庁では75N以上110N未満は「普通」とし、それ以上のものを「硬め」、それ未満のものを「柔らかめ」と規定していますが、最適な硬さの目安はご自身の体重を基準にするとある程度絞り込むことができます。
例えば、体重45kg以下のお子様などには75N以下の低反発のものを。
体重が80kg程度までの方は110N ?170Nの高反発の中から、体重100kgを超える大柄な方は200N以上の硬めのマットレスを目安に選択すると良いでしょう。
マットレスの厚みも重要な要素
一口にマットレスといっても2cm程度の薄いものから、30cmを超える厚みのあるものまで様々あり、マットレス選びに悩む理由のひとつにもなっています。
この中で、腰痛の方はある程度の厚みがあるマットレスを選ぶと良いでしょう。
一般的に2?5cm位までの薄いマットレスは「トッパー」といい、別のマットレスや布団と併せて使用する補助的なものになります。
薄いマットレス単体では底付きをしてしまい床面の硬さがダイレクトに伝わってきますし、体とマットレスの間に出来る隙間を埋めることが出来ず腰などに負担がかかってしまいます。
そのため、今お使いのマットレスや布団があって、それらの寝心地を改善したいと考えている場合にのみ薄いマットレスを選ぶと良いでしょう。
マットレスのサイズは腰痛に関係する?
マットレスのサイズは、一番小さなセミシングル(SS)から順にシングル(S)、セミダブル(SD)、ダブル(D)、クイーン(Q)、一番大きなキング(K)まであります。
この中から利用人数や設置スペースを考慮して選ぶことになりますが、腰痛の方は寝返りが十分に出来るだけのゆとりがあるサイズが良いでしょう。
具体的には一人用はシングルが一般的ですがワンサイズ上のセミダブルを、2人での利用ならばクイーンサイズ以上が理想的です。
三つ折りタイプのマットレスは腰痛に良くないって本当?
腰痛の方に三つ折りのマットレスは良くないという話をよく聞きますが、それは何故でしょうか?
まず、三つ折りのマットレスは、一枚もののマットレスと比べて移動させやすく、折りたたんで収納できることがメリットとして挙げられます。
そのため、使わないときは折りたたんでおいたり収納スペースへ移動させることで床面積を増やしたり、W字にして立て掛けることで陰干しすることもできます。
しかし、両サイドと中央部で別れていることにより、反発力にムラが出やすく体圧分散や寝心地の面で劣ります。
そのため、スペースが許すならば三つ折りよりも一枚もののマットレスから選ぶのが良いでしょう。
コイル式マットレスとウレタンマットレスの特徴
マットレスには内部にバネが入っているコイル式のマットレスとウレタン素材のマットレスがありますが、コイル式は耐久性に優れるものの重量があり価格も高くなり、ウレタンマットレスは安価で比較的軽いものの耐久性ではコイル式と比較すると見劣りします。
また、コイル式には「ボンネルコイル」「ポケットコイル」「高密度連続スプリング」の3種類があり、ウレタンマットレスは「低反発」と「高反発」の2種類に大まかに分けられます。
この中で、腰痛の方におすすめなのは、点で支える構造になっており耐圧分散性に優れるポケットコイル式マットレスか、適度な硬さのある高反発のウレタンマットレスになります。
おすすめのマットレス6選
■シモンズ(https://www.simmons.co.jp/)|ビューティーレストプレミアム ゴールデンバリュー
シモンズはポケットコイルの第一人者で150年の歴史を持つアメリカのメーカーで、ポケットコイルの第一人者とも言われています。
そのシモンズの中でも特に人気が高いシリーズ「ビューティーレストプレミアム ゴールデンバリュー」は、適度な硬さと耐圧分散性に優れるポケットコイル式を採用しており、腰痛の方にもおすすめのマットレスです。
■シーリー(https://sealy-jp.com/)|チタンコレクション ラグラスII
米国シェアNo.1のグローバルブランド・メーカーであるシーリー。
「世界基準の眠り」と謳われるマットレスは、その寝心地の良さから多くの高級ホテルで導入されています。
また、交互配列仕様という独自構造のボンネルコイル式マットレスの「チタンコレクション ラグラスII」は、腰痛持ちの男性に特に人気があります。
■日本ベッド(http://www.nihonbed.com/)|シルキーポケットマットレス
90余年の歴史ある日本ベッドは高品質なポケットコイルを製造・販売しています。
中でも、「シルキーポケットマットレス」は1200個ものポケットコイルを使っているため、耐久性が高く耐圧分散性に優れた製品になっています。
■フランスベッド(https://interior.francebed.co.jp/)|キュリエス・エージー
フランスベッドは日本で唯一、高密度連続スプリングマットレスを製造・販売しているメーカーです。
「キュリエス・エージー」は、高密度連続スプリングに低反発ウレタンを組み合わせた良いとこ取りの製品で、腰痛持ちの方も安心してお使い頂けます。
■東京西川(https://www.nishikawa1566.com/)|西川AiR
なんと、創業455年を誇る日本の老舗寝具メーカーである東京西川。
凸凹構造の高反発マットレス「AiR(エアー)」は、耐圧分散性が高く通気性が良いことが評価されています。
個人的におすすめしたいマットレス
■コアラ(https://koala.com/ja-jp)|コアラマットレス
筆者が個人的にお勧めしたいマットレスは「コアラマットレス」です。
コアラマットレスは低反発ウレタンと高反発ウレタンの層構造になっており、それぞれの良いとこ取りの製品になっています。
また、120日間のお試し期間と10年間の保証が付いているため安心な点と、ウレタンマットレスなので価格が手頃なのもおすすめポイントのひとつ。
まとめ
腰痛対策のマットレス選びは「ご自身に合った最適な硬さ」の製品をしっかりと見極めることにあります。
ここに書いたように、ひとくちに「マットレス」と言っても多種多様ですが、逆を言うと「最適なマットレス」は何処かにある可能性が高い!ということです。
この記事が、皆さんの最適なマットレス選びの参考になれば幸いです。